インプラント失敗!?でも大丈夫かもしれません。
こんにちは。
削らない歯科医の池村です。
本日は「インプラント失敗!?でも大丈夫かも」
というテーマでブログをお届けします。
インプラントについてはもう皆知ってるものという前提でお話していきますね。
インプラントの失敗というのは大まかに分けて2つです。
1,外科的なエラー
これについては手術後にすぐわかります。
インプラントを骨に入れるドリルで大きな血管を傷つけ出血がひどく、その血液が喉を圧して呼吸困難だとか
インプラントが神経を押してしまって麻痺が出てしまう
など明らかにインプラントが原因だと推測しやすいものです。
出血をふさいだり、神経を圧迫するインプラントを除去してあげる必要があります。
ちなみにインプラントオペ後に「痛い」が一か月以上続く場合は骨とインプラントがくっついていない可能性があるのでやり直しが必要かもしれません。
2,インプラントが歯周病にかかる
インプラントも歯周病のようなものにかかります。
「インプラント周囲炎」と呼ばれるものです。
定期的にバイオフィルム除去や、噛み合わせでインプラントを損ねるようなパワーがかかっていないかチェックが必要です。
しばしば、「インプラントを入れているけどメンテナンスしたことがない」という患者さんがいらっしゃいますが、危険なので歯やインプラントを傷めないメンテナンスをしてくれる歯医者さんを探す必要があります。
インプラント周囲炎でインプラントが埋まっている骨がなくなってしまった場合は除去が必要になります。
で、いよいよ今日の本題です。
ちょっと限定的?でそんな人あんまりいないよ!という特殊なケースかもしれませんが
1、治療途中でインプラントを入れた歯医者さん(A)とは違う歯医者さん(B)に行った。(引っ越しとかAの先生とモメたとかで)
2,Bの歯医者さんに「このインプラントはヤバいから除去した方が良い。埋まっている場所が悪い」と言われた。
3、Bの歯医者さんに「インプラント除去費用〇十万円、さらに再度インプラント入れるのに〇十万円」と言われた。
4、困惑…
こんな場合は、今あごの骨に入っているインプラントをわざわざ除去して新しくインプラントを入れなおさなくても良い可能性が高いです。
どういうことかというと、
インプラントが骨にくっついている場所がシャキッとまっずぐでなく、多少ナナメだったとしても、普通に噛める場合がほとんどなのです。
例えばこんな感じ(※患者さんの許可を得て掲載しています。)
各々理想の位置はというと、こんな感じ
でもまったく問題ない。
普通に噛めてます。
池村が入れたインプラントもあれば、他院様で埋入したインプラントもありますが、繰り返しますが皆さん問題ないです。
普通にお食事して、普通にケアして。違和感なく使用して頂いています。
天然歯(自分の歯)はナナメの力に弱いのですが、インプラントはとくにそういうことはありません。
骨と直接的にくっついているからです。
なのでインプラントでは、天然歯ではタブーとされるカンチレバー(※絵が描けないので、検索してみて下さい!)のブリッジなんかも選択されることもあります。
上記のBの歯医者さんは「位置が悪い」とインプラントの除去をお勧めしたようですが、
骨とインプラントが無事にくっついているのであれば無理に除去せずにそのまま歯を被せて使っていくことも充分可能です。
除去するって、骨を削るから痛いし大変ですしね。
もし、あなたが今
・インプラント埋入手術が済んでいる
・痛みは落ち着いている(1の外科的なエラー(大出血やマヒ)はない)
・骨とくっつくのを待っている(歯を作る段階じゃないしまだ歯を作っていないからまだ2のインプラント周囲炎になってもいない)
という状況で
Bのような歯医者さんにインプラントの位置が悪いからと除去を勧められて、迷ってしまい、困っているのであれば
一度当院にご相談ください。
インプラントが舌に向かって飛び出している、上あごのど真ん中に刺さっている、などよほどありえない状態でなければ
除去や再埋入などしなくても噛める形に落ち着かせてあげられるかもしれません。
また、インプラント周囲炎になってしまったインプラントも、バイオフィルム除去をこまめに行えば埋まっている骨の喪失を最小限に食い止めることができるかもしれません。
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まあそもそもAの歯医者さんに治療の続きを頼むのが確実ですけどね。