ホワイトニングは痛い?痛みの原因と対処法について解説。痛くないホワイトニングについても紹介
「歯医者さんでのホワイトニングは痛い。」そんな噂を聞いたことがある方は多いかもしれません。結論から言うと、歯医者さんでのオフィスホワイトニングに痛みを感じる方は少なからずいます。では、なぜ痛いのでしょうか?また、痛みを抑える方法はないのでしょうか。そこで、ホワイトニングの痛みの原因と対処法について解説します。痛くないホワイトニング方法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「ホワイトニングは痛そう」というイメージを持つ人は多い
ホワイトニングについてインターネットなどで調べてみると、必ずと言っていいほど出てくるのが「痛い」というワードです。実際、「ホワイトニング 痛い」というキーワードは有名検索サイトでもよく調べられています。また、民間のアンケート調査(ミュゼプラチナム「歯の黄ばみに関する意識調査」https://musee-pla.com/mismos/lifestyle/yellowteeth-survey/)でも、「歯のホワイトニングをやらない理由」の第3位に「痛そうだから」という回答が入っており、「ホワイトニングは痛い」というイメージは、かなり定着していることが窺えます。
冒頭でお伝えしたように、実際に痛いと感じる人は少なくありません。では、なぜホワイトニングは痛いのでしょうか?
ホワイトニングが痛いと感じる原因
従来のホワイトニングで使われる薬剤には、「過酸化水素」が含まれています。過酸化水素はオキシドールの成分であり、消毒に使われるなど、人体にとって安全性の高い成分です。とは言うものの、やはり高濃度になると危険です。そのため、過酸化水素を使った施術ができるのは医療機関に限られていて、セルフホワイトニングサロンなのでは使用できません。また、歯医者さんでホワイトニング剤として使用する際も、濃度が35%以下と決められています。
そんな過酸化水素ですが、そもそも歯の神経は、象牙質とエナメル質に覆われているため、口腔内が健康な状態であれば、薬液が直接触れて痛みが生じることはありません。逆に言うと、歯に何らかの問題があって神経に触れてしまうと、痛みを感じることがあります。たとえば、口腔内に次のようなトラブルがあると、痛みを感じやすくなります。
- 虫歯がある
- 歯周病がある
- 歯が欠けている(キズ、ヒビなど)
- 食いしばり・歯ぎしりなどで歯が削れている
- 知覚過敏がある
その他、もともと歯のエナメル質が薄い人も、痛みを感じることがあります。過酸化水素が歯の中に浸透して着色物を分解する際、水分も一緒に分解されるため、歯は脱水状態になります。このとき、エナメル質が薄いとその奥にある象牙質にも薬剤が浸透します。すると、象牙質も脱水状態になり、その結果、神経に刺激が届きやすくなるため、痛みを感じてしまうのです。
このような痛みを「象牙質知覚過敏症」と言います。この痛みは通常、24時間程度で回復しますが、人によっては数日間続くことがあります。
ホワイトニングで痛みが出た時の対処法
ホワイトニングの痛みは1~2日程度で治まっていくものですが、そうとはわかっていても、痛みが強い時には、「今すぐなんとかしたい」と思うものでしょう。そんな時の対策として次のことが挙げられます。
〇鎮痛剤を飲む
痛みが強い場合には、鎮痛剤を服用するのも方法の一つです。痛みが心配な方は、あらかじめ医師に相談して、処方しておいてもらうと安心です。また、もし手元に処方薬がない場合には、市販の鎮痛剤を使うのもよいでしょう。
〇刺激となる食べ物・飲み物を避ける
熱いもの、冷たいものなど温度差のあるものを食べたり飲んだりすると、いつも以上に刺激を感じやすくなります。痛みが治まるまでは、こうした食べ物を控えるようにしましょう。
ホワイトニングによる痛みは予防できる?
痛みが数日間続くこともあるホワイトニング。「痛いなら受けるのを諦めたほうがいいのでは・・・」と思う方がいるかもしれません。しかし、痛みの感じ方には個人差があります。また、口腔内が健康な状態に保たれていれば、痛みのリスクを減らすことができます。特に次のことは痛みの軽減につながります。
- 普段から歯磨きをしっかり行う
- 定期的に歯科検診を受ける
- 痛みのある場所を治療しておく
- 定期的にクリーニングをしておく
通常、歯医者さんではホワイトニングの前にクリーニングを行います。虫歯や歯周病、知覚過敏などがあれば、まずはその治療を行うことが重要で、これによってホワイトニングの痛みを軽減させることができます。それだけでなく、クリーニングを行うことで、ホワイトニングの薬剤が効果的に浸透しやすくなり、歯をよりきれいに白く見せることもできるようになります。
また、口腔内に特に異常がないのに痛みが強い場合には、薬剤の濃度が高い、薬剤が合っていないということも考えられます。そのような時は歯医者さんに相談して、濃度を調整する、違う薬剤に替えるなど、対処してもらいましょう。
痛みの少ないホワイトニングについて
従来のホワイトニングは痛みを伴う可能性がありますが、歯医者さんによっては痛みの少ない方法を導入しているところもあります。たとえば、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせたホワイトニングです。ポリリン酸ナトリウムには、歯をコーティングする作用があるため、過酸化水素によって生じる痛みを和らげてくれます。
過酸化水素のみを使った一般的なホワイトニングでは、歯と歯肉の間に「ダム」という即席の仕切りを作ってから、薬液を歯に塗っていきます。薬液が歯肉に付着すると歯肉がダメージを負う(ピリピリしたり一時的に白くなったりする)ので、ダムで歯肉のダメージを防ぎます。
これに対して、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせたオフィスホワイトニングでは、ダムを使いません。そのくらい低刺激で、安全性が高いのです。薬剤がマイルドなので、漂白効果もその分マイルドですが、歯が痛くなりにくく、歯と体に優しいホワイトニングです。
さらに、ポリリン酸ナトリウムにも、歯の結晶の隙間に入り込んで着色物を落とす作用があります。過酸化水素と組み合わせて使うことで、透明感のある自然な白さに近づくことができます。また、コーティング作用によって、虫歯予防にもなります。
ホワイトニングを継続するためにも痛みの少ない方法を選ぼう
ホワイトニングの効果は永続的ではないため、定期的に施術を受ける必要があります。しかし、痛みが強いと施術を躊躇してしまい、続けるのが難しくなってしまいます。過去にホワイトニングを受けたことがある方は、白くきれいな歯をキープするためにも、今回ご紹介した予防法や対処法を試してみることをおすすめします。また、ポリリン酸ナトリウムのように痛みの少ないホワイトニングもあります。「ホワイトニングをやってみたいけれど、痛みが心配」「一度受けたけれど、痛くてやめてしまった」という方は、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせたホワイトニングを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 「ホワイトニングは痛い」というイメージが定着している
- ホワイトニングの痛みは、過酸化水素による刺激が歯の神経に届くことが原因
- 虫歯や歯周病、歯の欠け、歯ぎしりなどがあると、神経に刺激が届きやすくなるため、痛みを引き起こす要因となる
- 口腔内に異常がなくても、エナメル質が薄い人は痛みを感じやすい
- ホワイトニング後の痛みを和らげる方法には、鎮痛剤を服用する、 刺激を避けるなどすると良い
- 事前のメンテナンスや薬剤の調整で痛みを軽減できる
- 過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせた痛みの少ないホワイトニング方法もある
- 白く美しい歯をキープするためには定期的な施術が必要であり、続けるためには痛みを抑えた自分に合った方法で受けるのがおすすめ