BLOGブログ

医院や歯にまつわる情報を提供しています

予防専門の歯医者さんが教える、「歯みがき頑張るから!」は完璧なむし歯予防ではない理由

アイキャッチ画像デフォルト
こんにちは。 削らない歯科医の池村です。 今日はこれ! 「歯みがき頑張るから!」は完璧なむし歯予防ではない理由 当院は、自分で言うのもなんですが「削らない治療」で結構人気ある歯医者さんです。 むし歯をただ削って埋めるだけでは絶対に良くならない。 むし歯にならないための行動が大事だよと常にお伝えしています。 むし歯にならないための行動とは何なのか。 もちろん、正しい歯ブラシ歯間ブラシを毎日する。 メンテナンスで定期的に繁殖している口腔内細菌を除去する。 でも、それだけでは足りません。 むし歯菌に餌をあげないことです。 むし歯菌が餌にしている糖質をお控え下さい。 糖質というのは、砂糖などの甘いものだけではなく、せんべいなどのしょっぱいものも含みます。 穀物などの主食も控えましょう。いわゆる三大栄養素の一つ、炭水化物ですね。 今や炭水化物抜きダイエットなどは市民権を得た感じがしますが、 4~5年前までは(今、2022年6月) 多発性のむし歯や歯ブラシが上手なのに歯肉出血が酷い方に甘味や炭水化物を控えて 歯や歯肉の材料である動物性たんぱく質の摂取量を多くするようにとお話すると「主食を抜くなんてとんでもない」とよく言われたものです。 話をもとに戻すと、 歯ブラシ歯間ブラシを上手にできるようになる・定期的な細菌除去も大切なのですが、 糖質を口に入れる量を減らしてあげると、むし歯菌を兵糧攻めにできます。 というお話をすると、 「甘いものやめるのヤダ!先生、歯みがきちゃんとするしメンテナンスもちゃんと来るから!お願い!私から甘いものを奪わないで(泣)」 実は患者さんの中に一定数こう言う方がいます。 ので、歯みがきだけでは解決しない糖が及ぼす影響をお伝えしようかと思います。 糖の外的要因 1、細菌が酸を出す(単糖類・二糖類は即時、炭水化物だとアミラーゼが分解→麦芽糖なので数時間後) 2、浸透圧の変化で細菌を歯の中に入れてしまう 1,歯ブラシだけ頑張っても、むし歯菌が酸をたくさん出していると、歯ブラシが届かない部位のむし歯が出来たり進行したりします。 ・小さなむし歯の穴やクラック(歯に入ってしまったヒビ) ・歯肉の中(だいたい歯肉の溝は1~3ミリだが、極細毛を斜め45°に入れても0.5㎜) ・詰め物・被せ物(すでに治療されたところ)の歯とのつなぎ目部分。銀だとがっつりスキマあります。 そのスキマをセメントで埋めていて、セメントが劣化してくるとそこにむし歯菌がたまります。 これらは一生懸命歯みがきをしてもそもそも歯ブラシが当たらない場所なので、糖を減らしていかないとむし歯の進行抑制は難しいです。 エリスリトールパウダーを利用したメンテナンスであれば小さなむし歯や歯と詰め物のスキマなどの細菌除去ができますが 定期的に細菌除去をしても、毎日のように細菌に餌を与えているとやはり進行抑制は難しいのです。 2,実は、歯って排泄してるのご存じでしょうか? これはドックベストセメントのセミナーで知ったことなんです。 電子顕微鏡の像で、エナメル質の結晶のスキマから体液がじわ~~~と出てきてしずくが大きくなっていく動画を見せてもらいました。 内側から体液を出して外来のもの(細菌やステイン)を歯にこびりつかないようにしているようです。 しかし、糖を口に含むと、浸透圧の変化で逆流します。外から内に流れます。 口の中の細菌が結晶のスキマ、歯と詰め物の間から入ってきちゃうらしいです。 ヤバそうな感じ、想像できそうでしょうか? 糖の内的要因 ・血糖値乱高下が起こる 1,血管が糖化→歯髄が糖化→象牙質が糖化 2,歯ぎしり食いしばりで歯を砕く 精製された糖を摂取すると血糖値急上昇します。 1,血糖値が高いと全身のたんぱく質が糖化という現象を起こします。糖化とは、簡単に言うと細胞の焦げ付きです。 糖度の高い血液が血管を流れます。すると血管内壁が糖化します。血管に柔軟性がなくなります。 歯ブラシが上手なのにやたら歯肉出血がある方は歯肉の毛細血管が糖化していると予想されます。 この場合は歯周病と言う細菌感染より糖尿病なりかけなので、細菌除去だけしていても歯肉出血はおさまりません。 また、歯肉からの浸出液も糖度が高いからか、歯の根元のむし歯が増えます。 歯の根元にむし歯を頻発させている方は血糖値が高い時間を少なくしていく努力をしないと「削って詰めてまたむし歯」のループにはまります。 歯の埋まっている歯槽骨の中も血管だらけです。 そして、歯の神経と言われている歯髄も血管です。歯髄から栄養をもらっている象牙質も糖度の高い浸出液にさらされると糖化します。 糖化すると組織の柔軟性がなくなります。もろくなります。 むし歯をドリルで削っていて、やたらサクサク削れる人がいます。 通常、歯は体の中で最も硬い組織です。 ドリルで削っていても、弾き返されるくらい硬いものですが、サクサク削れる歯は、糖化してるなと判断します。 サクサクな歯は、例えば強くかみしめただけで折れることもあります。貧血で倒れて歯をぶつけただけで歯が折れることもあります。 サクサクな歯は、むし歯菌もさぞや仕事がしやすい事でしょう。溶けやすい歯ということです。 2,血糖値が急上昇すると、歯ぎしり食いしばりの原因にもなります。 血管内壁が糖化して柔軟性がなくなります。動脈硬化が起きているということです。 これは身体にとって由々しき事態なので、身体は血糖値を下げようとします。 急上昇したら、急いで血糖値を下げないといけないとばかりにたくさんインスリンというホルモンを出します。 すると、今度は急激に血糖値が下がります。 急激に血糖値が下がっていく時に、とんでもない眠気に襲われたり、ボーっとしてしまったりダルくて動きにくくなったりします。 血糖値が低いと生命活動に支障がありますので、今度は身体は血糖値を上げようとします。 血糖値を上げるために、アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールなどのホルモンを出します。 アドレナリン過多だと、歯ぎしり食いしばりをしてしまいます。 歯ぎしり食いしばりで歯に過剰な力がかかり、歯を噛み砕いたりヒビが入ったりするわけです。 歯を噛み砕いたりヒビが入ったりしたら、スキマからむし歯菌が入ってきて… というむし歯になり続けるループがおきます。 どうでしょうか。 甘いものを嗜好していても歯みがきさえがんばったらむし歯予防できそうでしょうか? 定期的に細菌除去さえしていたらむし歯の進行を抑制できそうでしょうか? 池村は難しいと思っています。 内から外から、歯を壊してしまうのです。 このお話を甘味依存症の方にすると、皆さんとてもしょんぼりしてしまいます。 でも大丈夫。 なぜ甘いものが欲しくなってしまうのか、理由はわかっているからです。 甘いものを欲してしまう理由の方にアプローチすると、「ヤク中かな?」くらいの甘味依存を断ち切ることができます。 これは栄養療法の知識が必須です。 当院の患者さんで 「あたしは酒もたばこもやらないし、たまに甘いものを食べて「ん~~~!おいし~~~!!!」ってなることの何がいけないの!?」 と泣いた方いらっしゃいますが、今は甘味がなくてもより元気に幸せにお過ごしです。 「あの時のあたしは中毒だった」」とおっしゃってます。 ので、繰り返すむし歯にうんざりしている方 歯を削られることが多く「私の歯…こんなにしょっちゅう削っていて一生使えるのだろうか…?」と不安な方は 一日も早く根本的なアプローチをすることをお勧めします。 患者さんに迎合するタイプの歯医者さんや衛生士さんが 「甘いもの、食べちゃいますよねー。しっかり歯みがきしたら大丈夫ですよ。」と言ったとしても、それは危険な勘違いです。 根本的なアプローチをして自分の歯を守りたい!もうむし歯は嫌だ! とお感じの方はどうぞご相談下さい。 オンライン初診が便利です。
初診のご予約

ブログ一覧に戻る

CONTACTご予約・ご相談

栄養療法、歯を削らないスペシャリストの院長池村があなたの歯を丁寧に守ります。
まずはお気軽にご相談ください。

keyboard_arrow_up