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ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングのメリット・デメリットを解説。従来のホワイトニングとの違いについても紹介

歯科医院で行うオフィスホワイトニングの薬剤で、最近注目されているものがあります。それは「ポリリン酸ナトリウム」です。では、なぜ注目されているのでしょうか。そこで、従来のホワイトニングとの違いや、ポリリン酸ナトリウムのメリット・デメリットなどについて解説します。

従来のホワイトニングとポリリン酸のホワイトニング

オフィスホワイトニングでは、薬剤を塗った歯に光を当てて行います。光を照射することで薬剤の成分が活性化し、効率的に歯の色素が分解され、短時間で歯を白くすることができます。

オフィスホワイトニングで使用される薬剤は、過酸化水素が使われることが一般的です。過酸化水素はオキシドールの成分で、消毒や漂白に使われます。一般的に歯科医院で使われる過酸化水素の濃度は30%前後と高濃度で、歯の内側から色素を分解して、効果的に歯を白く見せることができます。また、過酸化水素には酸によって歯のエナメル質を凸凹させる作用があります。こうすることで、光を乱反射しやすくなり、より白く見せることができます。わかりやすい例で言うと、すりガラスは通常のガラスに比べて表面が凸凹していますが、その分、白く見えます。これと同じことが歯の表面で起こっていると考えると、イメージしやすいかもしれません。

過酸化水素を使ったホワイトニングは、歯を効果的に白くすることができる一方で、いくつかのデメリットがあります。まず歯の表面に凹凸ができるため、その分、着色汚れが付きやすくなります。オフィスホワイトニングを受けた後は、ワインやカレー、紅茶、コーヒーなど、色の濃い食べ物を控えるように言われますが、これは歯の表面に凹凸ができることが理由です。また、施術中や施術後に痛みを感じることがあります。特にもともとの口腔内の状態が良くなかったり、傷があったり、知覚過敏があったりすると、痛みを感じやすくなります。痛みが続くとホワイトニングを受け続けることに抵抗感が出てきてしまい、「1回やってみたけれど自分には合わないな」と、やめてしまう人は少なくありません。けれど、痛みの感じにくいオフィスホワイトニングもあります。その代表が、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせたホワイトニングです。過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを一緒に使うことで、痛みが出にくくなり、歯を白くすることができるだけでなく、虫歯予防効果も期待できます。

ポリリン酸ナトリウムはどんな成分?

ポリリン酸ナトリウムはもともと体内に存在する物質で、組織の再生を促す作用があることから、様々な疾患の治療などにも使われています。また、変色防止などを目的に、食品添加物としても使われていて、安全性がとても高い成分です。歯磨き粉などに含まれている商品もあります。また、サロンでのホワイトニングにもよく使われています。

そんなポリリン酸ナトリウムには、歯の着色汚れを除去する作用があります。歯のエナメル質は、「ハイドロキシアパタイト」という結晶が大部分を占めていますが、ポリリン酸ナトリウムはその結晶の隙間に入り込んで着色物を化学的に分解します。さらに、歯の表面をコーティングして汚れを付きにくくする作用があります。そのため、ツヤのあるきれいな歯になれるだけでなく、歯石や虫歯を予防することもできます。

そんなポリリン酸ナトリウムと、漂白作用のある過酸化水素を組み合わせて使うと、痛みの少なく、効果の高いホワイトニングが可能になります。過酸化水素には、着色物を分解し、歯の中から白くする作用があります。一方、ポリリン酸ナトリウムには、表面の着色を取る作用と、歯をコーティングする作用があります。これらの作用によって、痛みを抑えながら、ダブルのホワイトニング効果を得ることができるのです。

ポリリン酸を使ったホワイトニングのメリット・デメリット

ここで、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムを組み合わせたホワイトニングのメリットとデメリットをまとめてみましょう。

メリット

  • 安全性が高い
  • 痛みが少ない
  • 術後の飲食物制限がない
  • 着色汚れを効果的に落とすことができる
  • 透明感のある自然な歯の色に近づける
  • 歯石や虫歯を予防する
  • 殺菌作用があるため、口臭予防ができる
  • 色戻りしにくい
  • 毎日、施術可能(通常のホワイトニングは2~3週間に1回のペース)

デメリット

  • じわじわ白くなるので、1回で「うわあ!白くなった!」という感動は薄い(通常3回目程度から色の白さを実感して頂けています)
  • ポリリン酸ナトリウムは、ホワイトニングとしての薬事未認可の薬剤(ただし、ホワイトニング効果のある過酸化水素はどのオフィスホワイトニングでもほとんど使用されており、ポリリン酸は食品添加物にも使用されている安全な物質)

ポリリン酸ナトリウムによるホワイトニングを行っていない歯科医院が多く、施術場所が限られていますが、痛みを感じる人がほぼおらず、歯に透明感を与えて自然な白さを獲得できるホワイトニングです。従来のホワイトニングに抵抗感がある人でも、ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングなら継続できるかもしれません。興味のある方はポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングを行っている歯科医院をぜひ探してみてください。

ホワイトニングをしている患者

ポリリン酸ナトリウムのホワイトニング:オフィスホワイトニングとサロンのホワイトニングの違い

「ポリリン酸ナトリウムのホワイトニング」とネット検索をすると、サロンのセルフホワイトニングがヒットすることがあります。確かにエステサロンでのセルフホワイトニングでも、ポリリン酸ナトリウムが使われていることがありますが、オフィスホワイトニングとは次のような違いがあります。

〇施術者

歯科医院では医療資格を持つスタッフが施術を行います。一方、サロンではお客さん自身で行います。サロンスタッフは、施術するための資格を持っているわけではないからです。そのため、手順の説明はしてくれますが、施術は自分自身で行うのが一般的です。

〇薬剤

歯科医院では、過酸化水素とポリリン酸ナトリウムの両方を配合した薬剤を使ってホワイトニングを行います。これらの薬剤を一緒に使うことで、痛みを軽減しながら歯を白くすることができます。一方で、サロンの場合は過酸化水素などの漂白作用を持つ薬剤を使うことはできません。ポリリン酸で歯の表面は少し白くなるかもしれませんが、過酸化水素がないと歯は内側から白くなりません。

〇事前のケア

ホワイトニングは、歯にバイオフィルムが付着した状態で行うと十分な効果が得られません。バイオフィルムが歯への薬剤の浸透を阻害して、薬剤の浸透に差が出てしまい、ムラになってしまうこともあります。そのため、歯科医院ではまず口腔内の状態をチェックし、必要なクリーニングや治療をしてからホワイトニングを行います。この点は、サロンでのホワイトニングにはない、オフィスホワイトニングのメリットと言えるでしょう。

ポリリン酸ナトリウムは、歯の表面の着色物を除去し歯をコーティングして新たな着色を付きにくくする作用はありますが、歯を内側から白くする作用はありません。そのため、歯を本当に白くしたいのであれば、オフィスホワイトニングを選びましょう。

ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングはこんな人におすすめ

ここまでポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングについてご紹介してきました。特に次の項目に当てはまる方は、ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングを検討してみるとよいかもしれません。

  • 痛みの少ないホワイトニングを希望している人
  • 人工的な白さよりも、透明感のある白さを求めている人
  • ホワイトニング後も、好きなものを飲食したい人
  • ホワイトニングだけでなく、虫歯や歯周病予防もしたい人

ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングが受けられる医療機関は限られていますが、興味ある方は治療が受けられる歯科医院をぜひ探してみてください。

まとめ

  • ポリリン酸ナトリウムは、安全性が高く痛みが少ないホワイトニング剤であり、歯の着色汚れを除去しコーティングして汚れを付きにくくする作用がある
  • 従来の過酸化水素によるホワイトニングは、歯の内側から色素を分解し効果的に白くするが、痛みや知覚過敏が生じたり、施術後に食事制限があるなどのデメリットがある
  • 過酸化水素とポリリン酸ナトリウムの両方を用いるホワイトニングは、歯の汚れを落として透明感のある自然な白さに近づけつつ、歯をコーティングして虫歯や歯周病を予防する効果がある
  • サロンのセルフホワイトニングでもポリリン酸ナトリウムは使用されるが過酸化水素は使用できない。施術は自分自身で行い、歯科医院では専門家が口腔状態を確認し必要なケアを行った上で施術する
  • ポリリン酸ナトリウムを使ったホワイトニングは、痛みの少ないホワイトニングを受けたい人、自然な白さを求める人、食事制限をしたくない人、虫歯や歯周病も予防したい人などにおすすめ

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